株式投資を行う際、高い確率で資産を増やしたいなら、「長期投資」、「分散投資」、「低コスト」という三つの要素がとても重要です。具体的には、全世界の株式を対象とする低コストのインデックスファンドへの長期投資をお勧めします。本文では、これら三つの要素がなぜ重要であるかを探ります。
長期投資
株式投資の本質は、利益を上げる企業からその利益の一部を分けてもらうことにあります。企業の利益配分は即座に行われるわけではありません。投資家が企業に資金を提供した後、その資金を活用して利益を生み出すまでには時間が必要です。企業が商品を製造し、販売するまでの様々なプロセスには多くの労力と時間が必要です。したがって、投資家は株式を購入したら企業の利益が生まれるまでの時間を辛抱強く待ってあげる必要があります。
一方、株式投資には、数日間から数ヶ月間で株を売買する短中期のトレード戦略も存在します。しかし、この方法では企業の利益による分配はわずかであり、投資家間の資金の奪い合いになることが多いです。このタイプの投資は、多くの場合、ゼロサムゲームに陥ります。ゼロサムゲームとは、勝者がいればそれに相応する敗者も存在し、勝ちと負けを合計すると結果はゼロとなるゲームのことです。投資家は勝ち組に属することを目指す必要がありますが、敗者側に回るリスクも常に考慮する必要があります。
分散投資
一つの会社の株に集中投資を行うと、その会社が倒産した際には株券が紙切れになる危険があります。株式投資には「卵を一つの籠に盛るな」という格言が存在します。分散投資は資産全体の変動(リスク)を低減する効果があります。分散投資を行うとリターンが減少すると感じるかもしれませんが、実際には広範囲にわたる分散投資により、リスクを大幅に削減しつつ、リターンの減少を抑えることが可能です。できれば、約60社の企業に分散投資を行うのが望ましいでしょう。詳しくはこちらを参考にしてください。
最近では、FANG+やS&P10のような人気の高いハイテク企業に集中投資する投資信託が流行していますが、集中投資は大きな損失を招く可能性が伴いますので、推奨はしません。FANG+やS&P10に含まれる企業は現在人気がありますが、すでにこれらの人気企業の株価は高騰している点に注意が必要です。投資家の高い期待があるためこれらの株は割高です。高い期待に応えるのは容易なことではありません。そして、期待が裏切られた場合、株価は急落する危険性があります。また、現在は人気があるからといって、将来も人気があるとは限りません。
低コスト
コストは確実なマイナス要因となります。一部の人々はプロのファンドマネージャーに高額な手数料を支払えば大きなリターンを得られると考えるかもしれませんが、現実は厳しいものです。事実、高額な手数料を支払っても、平均を超える成績を収める投資信託は非常に少ないのです。高コストのファンドが期待に応えられないということは、多くの本やウェブ記事で指摘されていることです。いくら複雑な分析を施しても株式投資の市場平均以上の勝利は容易ではありません。
また、高コストの投資信託が成功しない理由の一つに、高いコスト自体が成績を引き下げ、平均的なパフォーマンス以下にすることがあります。たとえ平均以上のパフォーマンスを達成したとしても、そこから引かれる手数料が利益を減少させてしまいます。
市場平均を上回る投資信託が存在することは否定しませんが、我々が事前にそれらを特定し購入することはほとんど不可能です。そのような目利きができるのであれば、投資信託を利用する代わりに自ら株を購入する方が良いでしょう。